再会〜中堅保育士はイケメン年下男に翻弄される〜
今日会うまでに至ったのは、楽しい会話がメッセージ内で続いたからだ。
その楽しい会話のきっかけは、お互いの名前だった。
アプリではハンドルネームでお互い登録していたが、
挨拶の後で夏の方から尋ねたのだ。
"Yukiさん、良かったら名前教えてほしいです"
"名前は雪です"
"雪さん!素敵な名前ですね。そして俺と真逆です笑"
"そうなんですかー?N・Hさんのお名前も知りたいです"
"俺は夏です"
"ほんとだ、季節真逆だ笑"
何だか運命をほんのり感じた。
プロフィール写真もかっこいい。
地元民、タバコも吸わない。
年齢は4歳下だが雪にとっては許容範囲。文句なしだ。
それから会話が弾んで、敬語は使わなくて良いと雪の方から申し出て、じゃあお言葉に甘えて…とタメ口になってから一気に距離が縮まった気がする。
いや、気がしただけだった。
相手がこの男なら話は別だ。
「じゃあ、ここで解散」
雪は立ち止まって行った。
あと1キロで住まいのアパートに到着する。
そして、そこに招くほど長谷川夏と親密になる気はない。もう、ない。
夏もつられて立ち止まったが、はいはいと立ち去らなかった。
「解散って…この後忙しい?」
え…何で、と口をついて出そうになった。
不覚にも心拍数が上がるのが、自分でも分かる。
「い…そがしいわけじゃない、けど」
「けど?俺が相手じゃやだって感じ?」