甘い初恋を、もう一度。
* * *

「お母さーん!」

わたしの娘・日比谷 奈々(ひびや なな)が家の廊下を駆け回る。

ふふふっ…。可愛い。

わたしは奈々をみて、にこにこと微笑んでしまった。

「なぁに?どうしたの?」

わたしが中腰にしゃがんで聞いてみると、奈々がむぅと口をとがらせた。

「お父さんがお母さんのことなんか…、溺愛(?)してるみたい!」

…えっ!?

で、溺愛!?

「な、奈々!いつからそんな言葉知ってるのぉ…?」

わたしはおそるおそる、と聞いてみた。

「えーと。なんかお父さんがね、言ってた!
『俺は華恋のことを溺愛してる』ってね!」

にやにやと微笑んでいる奈々を見て、ぼぼっと顔が赤くなった。

「なっ…!奈々、それ以上言うな!」

綾人さんが顔を真っ赤にして、慌ててこちらに来てそういうふうに言った。

「えー?なんでぇ?奈々、悲しいぃ…」

再び口をとがらせて言う奈々に、苦笑いがこぼれた。

でも、この時間が1番楽しいな。

わたしはふふふっと言い合っているふたりをみて、笑った。

「むぅ、なにお母さん笑ってるのー!」




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