ホテルの怖い話短編集
「やめたって、どうして?」
あんなに条件のいい会社もそうそうないだろうと思って質問すると千歳は作家に合わせて昼夜逆転の生活をしなければいけないことや、休日も平日もないこと、締め切り前には自分がなんの作業をしているのかわからなくなってしまうほど忙しくなることなどを打ち明けた。
「忙しくて食べる暇もなくて、それで痩せたんだよね」
「そうだったんだ」
通りで、痩せたと聞いたときに嬉しそうな顔をしなかったわけだ。
ハードワークに疲れて退社して、これから先どうするかも決まっていないことがわかった。
「もしかしたら田舎に帰るかもしれなくて、今日は最後の楽しみなの」
「そんな……」
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