通りすがりの俺様
 


「僕が君の財産を狙ってるって?」

 いずると一鷹は秀をイタリアンのファミレスに呼び出していた。

「いや、いらないから」
とあっさり言われる。

「じゃあ、なんで、矢端のフリして、ゴソゴソしてるんだ?」
と言う一鷹に、秀は、

隆二(りゅうじ)が生前分与でもらったものが欲しいから」
と言う。

 ――えっ?
 狙われていたのは、矢端さんっ!?

「協力してくれるなら、教えるよ。
 僕は隆二が生前分与でもらった鉄道模型が欲しい」

「……なるほど」

「そもそも、君がもらったものがなんなのか、僕は知らないんだけど」

 そういえば、そうですね……。

「すみません。
 嗅ぎつけてる人が多いみたいなので、みんな知ってて当然くらいに思ってました」
といずるは謝る。

「ちなみに、うちの家族はまったく嗅ぎつけていないみたいなんですが」

 なんか凄そう、という理由により、欲しがっている。

「それはそれで大丈夫なの?」
と逆に心配されてしまった。

「あの、携帯の番号を教えないのは何故なんですか?」

「それは昔からだから、今回の件には関係ないんだけど」

 単に教えたくないだけ、と秀は言う。



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