スパダリ御曹司はスパダリ偽装妻を溺愛で囲い逃がさない
 彼女からの愛の言葉が嬉しくて、あんなに焦るなと自分に言い聞かせていたにもかかわらず、先走って深いキスをしてしまった。『嬉しかった』と言われ、おかしいほどに心が躍った。

 その後の散歩でも同じだ。琴子と見た景色は美しかったけれど、それ以上にあの中に琴子がオリオン座を見つけてくれたのが嬉しかった。

『美しい景色も、空に輝く星座も。もしかしたら〝なにを見るか〟よりも〝誰と見るか〟のほうが重要なのかもしれないな』

 そう口走ったのは、何度も見上げているはずのオリオン座が、琴子と見る時だけ不思議と美しく感じると気づいたからだ。
 彼女とは、こうして色々な景色を共有したい。景色だけじゃない。色々な感情も、愛情も、すべて共有したいと強く思った。

 俺の指先の感覚に、琴子は敏感に体を捩り、かわいらしい声をもらす。

 今この瞬間も、愛を共有できているのなら嬉しい。そして、琴子がこうして俺に甘えてくれるように、彼女がひとりで抱えすぎないように、いつまでも彼女を甘やかしていたい。

 エゴのような、独占欲のような、俺の気持ち。琴子に届けと、俺は何度も彼女に口づける。

「琴子、愛しているよ」
「私も、愛しています、北斗さん」

 そんなとろんとした顔でそんなことを口走られたら、たまらない。

 愛しい妻と過ごす、初めての一夜。
 俺はそれに溺れるように、何度も彼女に愛の印を刻み込んだ。

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