完璧な三神くんは、愛だけがわからない。

ーー

「じゃ、春苺よろしくね」

5限終わりのチャイムが鳴ると同時にくるちゃんは光の速さで教室を出て行った。

……早すぎるでしょ、さては授業の終わる5分前から準備してたな。


私はというと、普段一緒に行動する友達はくるちゃん以外にいないので、一人で家庭科室へと向かった。夕暮れの空を見上げると、茜色に染まった雲がゆっくりと流れていた。


今日は、裁縫か…。自分で好きなものを作成してよいことになっているので、私はパンチニードルを行うことにした。

パンチニードルとは、専用の針に糸を通して布にプスプス刺しながら模様をつけていくもの。私も最近始めたばかりなのであまり上手ではないんだけど、太い糸を使うと立体的な仕上がりになってとにかく可愛くて楽しいんだよね。

コースターとかクッションカバーになるんだけど、無心になってプスプス作業できるので私はけっこう好きだった。

必要な物品は家庭科室に揃っているので、帰る準備だけして教室を出た。

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