引っ込み思案なエリート同期を育てていたら、なぜか私が解らされた

1話



「――以上五名が、今期の新人だ」


パラパラと、会議室に拍手が広がる。

私も隣に並んだ同期たちと一緒に、深々と頭を下げた。

今日のために、少し奮発して買ったスーツ。

まだ足に馴染まないパンプス。

胸元にかかるのは、できたてほやほやの社員証。


――今日から私は、ずっと憧れていた会社の社員になる。


そう思うだけで、自然と背筋が伸びた。


「新人歓迎会は月末な。それまでは浮かれず、気ぃ引き締めて仕事しろよ~?」

「はい!」


思ったより声が通って、近くの社員までちらりとこちらを見た。

なんとなく目が合った人に、にこっと笑い返す。


「元気なのはいいことだな。じゃ、新人は研修室に移動して」


胸元の社員証を揺らしながら、私は同期たちのあとを追う。




こうして、私――柚木(ゆずき)ひまりの社会人一日目が始まった。
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