10年越しの約束はトップの学園で
食べ終わると、授業が始まる5分前だった。
私は急いで教室へ向かった。
ギリギリセーフ!
心の中でそう思いながらふと授業は何だったけ?と思った。
心理操作学
この授業では壁一面に「表情・視線・呼吸」のリアルタイム解析データが映り、
生徒たちは机ではなく、円形のステージに座る
教師は心理学の世界的権威を持っている人で、その人のウソを見抜けというものだ。
教師がしゃべり始めた。
『私は昨日、ここに来る前に家でゆっくり休んでいました。』
未来は、この言葉は嘘だと思った。
なぜなら先生が「家でゆっくり休んでいました」と言った瞬間、
視線が右上にわずかに動いたから。
心理学では——
右上を見る=記憶ではなく“想像”をしている時の目線。
未来はこれを見逃さなかった。
そして嘘をつくとき、人は無意識に呼吸が浅くなる。
先生はその一言の直後だけ、
胸がわずかに上下した。
私は「嘘を見抜く必要がある環境」で育ったからわかった。
家族に嫌われていた
常に自分への悪意を察知する必要があった
母の死の事件で「危険察知能力」が異常に発達した
組の訓練で「相手の動きを読む」ことを叩き込まれた
だから未来は、
人の嘘を見抜くのが“生きるための本能”になっている。
私は思い切って手を挙げて、静かに言った。
未来「先生、今の……嘘ですよね」
教室が一瞬で静まり返る。
先生は驚き、
生徒たちはざわつく。