リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
少しずつ
「おはようございます」

次の日。
優香は『マリナ・ヴィスタ』のコミュニティ棟のロビーで、訪れる住人に笑顔で挨拶していた。

「優香ちゃん、今日はね、初めて英会話サークルに参加しに来たの。私でもついていけるかしらって、ちょっと心配で」

顔見知りの60代の女性に言われて、優香はにこやかに答える。

「大丈夫ですよ。あのサークルは日本語も交ぜて、皆さま無理なく楽しんでいらっしゃいますから」
「そうなの? じゃあ、トゥモローはお出かけにレッツゴー! とかでもいいかしら?」
「ふふふ、はい。いいと思います」
「よかったー、安心したわ。じゃあね、優香ちゃん。行ってきます」

エレベーターへと向かう女性を「行ってらっしゃいませ」と見送っていると、スポーツウェアを着た壮志が階段をトントンと駆け上がるのが見えた。

(ひゃあ、古賀様! いつの間に?)

昨夜のことを思い出してドキッとしたが、壮志は軽やかに階段を上がって2階のジムへと姿を消した。

(これからトレーニングかしら。お仕事はお休み? って、そんなこと私が気にしてどうするの)

マンションではこれまでと変わらず、と壮志は言ってくれた。

(じゃあ、マンションの外では?)

そんなことを考えてしまう自分に、いけないと喝を入れる。

(これまで通りに仕事しなきゃ)

居住まいを正して、気持ちを切り替えた。
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