まだ青い彼
第1話
今日執り行われた挙式は二人の笑顔が幸せに満ち溢れていた。
同僚の結婚式、新婦さんは彼の5歳下の可愛らしい人だった。2次会までの空き時間、会場周辺のカフェで一息ついて時間をつぶすことになった。同僚でかたまり、感想を言いあう。
「綺麗だったね、奥さん」
「ほんと。私の時は節約でお色直ししなかったからさ、カラードレス素敵だった。私も着ればよかったなぁ」
「私も。30代で結婚したから、ピンクとかはお姑さんにいい顔されなくて……」
「プロポーズは奥さんからしたらしいよ。中西くんが煮え切らなくて奥さんがしびれをきらしたんだろうね」
「28かぁ。そりゃさっさとしてってなるのもわかる。男側はのんびりしてるから」
自分の結婚式や、その年だった頃を思い出してそれぞれが余韻に浸っていた。私はさっきまでの華やかさを羨ましく思い、ここでわずかな居心地の悪さを感じていた。――独身である、そのことに。
そっか、私の年になると結婚式も着るドレスも落ち着きを求められる。最近は簡素な式が主流になりつつあるのは知っている。でも、自分の意思以外で選択肢を奪われるのは複雑だ。
「よお、久しぶり。……何だよ、暗いな」
「橘さん……。おかえりなさい。久しぶりですね、ご活躍の様子、お聞き及びしております」
茶化して言うと橘さんは片眉を上げた。私が新卒の頃に教育係をしてくれた5つ上の先輩だ。当時の私が――憧れて止まなかった人。相変わらずかっこいいなぁ。渋みも出て、ますます素敵になった。未だ私を気にかけてくれることが嬉しくて顔が緩んだ。
好きだって気づいたころ、異動しちゃったんだよね。彼の左手にはキラリ指輪が光っていた。異動してしばらくして結婚したと聞いた。当時は異動もショックだったし、結婚もショックだったな。過去を思い出しわずかに胸が痛んだ。
同僚の結婚式、新婦さんは彼の5歳下の可愛らしい人だった。2次会までの空き時間、会場周辺のカフェで一息ついて時間をつぶすことになった。同僚でかたまり、感想を言いあう。
「綺麗だったね、奥さん」
「ほんと。私の時は節約でお色直ししなかったからさ、カラードレス素敵だった。私も着ればよかったなぁ」
「私も。30代で結婚したから、ピンクとかはお姑さんにいい顔されなくて……」
「プロポーズは奥さんからしたらしいよ。中西くんが煮え切らなくて奥さんがしびれをきらしたんだろうね」
「28かぁ。そりゃさっさとしてってなるのもわかる。男側はのんびりしてるから」
自分の結婚式や、その年だった頃を思い出してそれぞれが余韻に浸っていた。私はさっきまでの華やかさを羨ましく思い、ここでわずかな居心地の悪さを感じていた。――独身である、そのことに。
そっか、私の年になると結婚式も着るドレスも落ち着きを求められる。最近は簡素な式が主流になりつつあるのは知っている。でも、自分の意思以外で選択肢を奪われるのは複雑だ。
「よお、久しぶり。……何だよ、暗いな」
「橘さん……。おかえりなさい。久しぶりですね、ご活躍の様子、お聞き及びしております」
茶化して言うと橘さんは片眉を上げた。私が新卒の頃に教育係をしてくれた5つ上の先輩だ。当時の私が――憧れて止まなかった人。相変わらずかっこいいなぁ。渋みも出て、ますます素敵になった。未だ私を気にかけてくれることが嬉しくて顔が緩んだ。
好きだって気づいたころ、異動しちゃったんだよね。彼の左手にはキラリ指輪が光っていた。異動してしばらくして結婚したと聞いた。当時は異動もショックだったし、結婚もショックだったな。過去を思い出しわずかに胸が痛んだ。