まだ青い彼
 そういえば、このくらいの年の時っていくら寝ても眠たかったよね。若いなぁ。

 性欲より睡眠欲が勝ったってことか。
 電気もつけっぱなしの明るい部屋、慣れないベッドでもこれなんだもん。

 ……さっきまでのはおさまったのかしら、つい視線を下げてしまって慌てて天井を見上げた。ゴホン、と咳払いする。やだ、セクハラだわ。まぁ、うつ伏せで寝ているということは大丈夫なんでしょ。

 まだあどけなさの残る顔、何もしなくても艶のある肌。髭もない、毛穴もない。
 寝ているのをいいことに近くでじっくりと観察する。綺麗な顔だなぁ。綺麗な綺麗な男の子……。

 どうしてこの若さに気づかなかったのだろう。
 覚えてないのかな、あの日、私の荷物を守って待っていたことくれたこと。あの時のやり場のない過去の虚しい感情からこの子が救ってくれたのは事実だ。

 ……余計、訳ありな相手だったけど。

「ほんと、あなた一体何を考えてるの……? 」

 私のことを好きなわけじゃないくせに。好きになるには期間が短すぎるし、きっと女の子にはモテるだろうし、なぜ私にこだわるんだろう。この子の目的がわからない。だけど、自分から声をかけた責任がまだぬぐえない。

 ただの気まぐれかもしれないな、そう思うといくらか気持ちは楽になって、だけど虚しくもなった。
 どうかしてる、私。

 ふふ、本当に気持ちよさそうに寝てる。
 しばらく見つめた後、部屋中の照明を消すと彼の横に身を横たえた。幸いベッドの奥は半分のスペースが空いていたから。

 暗闇の中、しばらくすると目が慣れて来る。
 横に誰かが寝ているこの状況がまだ信じられなくてしばらくは寝付けなかった。

 何をしているんだろう、私……。この子が何を考えているか、より自分が何を考えているかが一番わからなかった。
 


 

 
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