チャラ男も笑えば雑巾に当たる

「……二人とももうすぐ帰るって」

「じゃあおれたちもそろそろ帰ろっか」

「あ、うん…そうだね」


本当はもっと一緒にいたいなって。

言えないけど、ばいばいするのすごくさみしい。


「……帰りたくなさそうだね、委員長」

「え?」

「しょげた顔してる」

「っ、あんま見ないでっ」


しょげた顔なんて蜂技くんには見られたくない。

でも彼は容赦なく私を見つめて言う。


「何かやり残したことがあるなら言いなよ。おれは時間まだ大丈夫だから遠慮しないで」


やり残したこと。


──『今日チャンスだと思うよ』
──『カナミンも協力してくれるって』
──『お祭りがんばって』


私の、気持ち、打ち明けたい…………。


「蜂技くん、あのね、」

「ん?」

「少しお話……聞いてくれる?」

「うん」


隣に座るきみを直視するのはむずかしくて、前を向いて目線を落とす。


「私、初めて蜂技くんに会ったときのこと、今でもはっきり覚えてるの」

「……へえ」
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