【続編】ふたりの恋のそだてかた。
――――
――……
「……」
「……」
(き、気まずい……)
爽真の家について“お邪魔します。” “どうぞ”で入ってきたのに――リビングのドアを閉めた途端に沈黙。
余韻になりかけていた演技事故でのぐちゃぐちゃの感情が、直接爽真の顔を見た途端、全部揺り戻ってきた。
「……夕飯、あとあっためるだけだけど。
……食べる?」
ドア付近にいる私と、キッチンのそばにいる爽真。
微妙な距離感で、爽真が少し硬い表情でそう言ってきた。
「あー、うん。……いや、えっと、」
ここで夕飯に流れたらだめだ。
せっかく爽真が作ったご飯が、また味しなくなる。
表情も上手く作れないまま、口端に妙に力が入る。
ちら、と爽真を見てバッグの肩紐を持つ手に力を込めた。
「ちょっとそこで……一息ついてからにしよう、かな?」
――で、ソファ。
お互いできる限り端と端に座っているから、真ん中に人1人分くらいの変な空間ができている。
「あー……、ネット記事、見たよ。ドラマの情報解禁されてたね」
「……みたいだな」
「……」
やばい!話題が全然出てこない!
「……そういえば髪、また切ったんだな」
「ああ、うん。役作りのためにね……」
「へぇ」
「……」
さっきから目も合わせられないし。
爽真も明後日の方向を向いている。