美味しく召し上がれ

「私をどうしたいの……?」

手を握り離さない、泉宮くんに尋ねた。

体温を感じる。

泉宮くんの手は大きい。

骨張っていて、男の人の手だ。


「可愛がって、そばに置きたいのかな。」

……愛玩動物だと思われてるのか。

私の反応が面白いのか……。


「つれないよね。」

泉宮くんに握られてる手を、口元に持ってかれる。

形の良い唇の隙間から、白い歯と赤い舌が覗いた。


「いつになったら、遊びに来てくれるの?ずうっと、待ってたんだけど。」

私の指に舌が這わされ、熱い口内に入れられた。

艶かしい光景に、目が離せなくなる。


私の体の一部が、泉宮くんの中に入った。


ここは学校で外からは、運動部の元気な声が聞こえて来て、吹奏楽部が演奏の練習をしていたが、その音が遠くなる。

目の前の泉宮くんに、全ての神経が集中した。


「良い子で待つのはやっぱり、性に合わないんだよね。」

私の指に歯を立て、噛み付いた。

獲物を狩る肉食獣の目をしていた。


笑顔の仮面を破り、獰猛な本性を表した。


……食われる。

そう、思った。


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