クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい
その時――。
「……おい」
不意に上から低く呆れたような声が降ってきて、振り返ると、そこには本部テントの方から歩いてきた冴くんが立っていた。
いつも冷ややかで感情を見せない彼の青い瞳が、どこか微かに揺れている。
「あ、氷室くん……」
「お前……あんな走れんのかよ。トロくて運動音痴だと思ってた」
腕を組みながら、フイッと視線を逸らして吐き捨てる冴くん。
私はズレたメガネを指で直しながら、苦笑いした。
「走るのだけは、昔から少し得意なんだよ!トロいのは認めるけど…」
「……」
冴くんは何も言わず、乱暴に自分の黒髪を掻き揚げると、小さく鼻で笑った。
「……まあ。悪くなかったんじゃない」
ぽつりと漏らされた低い声。
無造作にそっぽを向く彼の耳たぶが、ほんのり赤くなっているのに私は全く気づかないまま、「え? 何か言った?」と首を傾げる。
「なんでもねぇよ。片付け残ってんだろ、行くぞ」
「あ、うん! 待って〜!」
冴くんの後に続いて、私は慌てて委員の片付けへと走っていったのだった――。
「……おい」
不意に上から低く呆れたような声が降ってきて、振り返ると、そこには本部テントの方から歩いてきた冴くんが立っていた。
いつも冷ややかで感情を見せない彼の青い瞳が、どこか微かに揺れている。
「あ、氷室くん……」
「お前……あんな走れんのかよ。トロくて運動音痴だと思ってた」
腕を組みながら、フイッと視線を逸らして吐き捨てる冴くん。
私はズレたメガネを指で直しながら、苦笑いした。
「走るのだけは、昔から少し得意なんだよ!トロいのは認めるけど…」
「……」
冴くんは何も言わず、乱暴に自分の黒髪を掻き揚げると、小さく鼻で笑った。
「……まあ。悪くなかったんじゃない」
ぽつりと漏らされた低い声。
無造作にそっぽを向く彼の耳たぶが、ほんのり赤くなっているのに私は全く気づかないまま、「え? 何か言った?」と首を傾げる。
「なんでもねぇよ。片付け残ってんだろ、行くぞ」
「あ、うん! 待って〜!」
冴くんの後に続いて、私は慌てて委員の片付けへと走っていったのだった――。