攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「本当に、申し訳ありません……」
「いや、いいんだ。権力に怯えず我を通す人間がいてくれると、僕も助かるから」
「フェドクスを、好ましいと思ってくださるのですか……?」
「当たり前だよ。だって、彼は君の大切な人だろう?」

 私は、こくんと頷く。
 恋愛感情こそ抱けてはいないが、彼には危ないところを何度も助けてもらっている。
 簡単に言えば、命の恩人だ。
 大切じゃなかったら、タメ口で会話などしていなかった。

「僕にとっても、友好的な関係を築き上げたい人だ。男同士でしか、分かり合えないこともあるだろうし……。時間をかけてゆっくりと、交流を深めるよ」

 2人は、「なんであんな奴と一番仲がいいのか」と責め立てるような発言はしてこなかった。

 それが、何よりも嬉しい。
 焼き立てのパンに舌鼓を打ちながら、なんだか気分が上向きになるのを感じる。
 そんなこちらの姿を目にしたガザンは、さり気なく幼馴染の情報を引き出すために質問をしてきた。
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