攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
 ――頭を冷やしてくるって、何してたの?
 あの様子じゃ、魔獣狩り……?

 何かあっては困るからと、念のため雑魚寝状態で床に寝転がっていた2人も飛び起き、顔を見合わせている。

「あれ、水で洗い流せるレベルか?」
「入念に身を清めないと、難しいだろうね」
「どんだけ、大暴れしてきたんだよ……」

 ヒソヒソと声を顰めて囁き合う2人の姿を目にして、私は神殿にいた頃も何度かこうした光景を見たなぁと昔を懐かしむ。

「ストレスが、溜まっているんだと思います」
「あいつ、怒りを力に変えるタイプか?」

 彼の口からはっきりと「そうだ」と断言された覚えはないが、私が危機的状況に陥った時は、火事場の馬鹿力とでも言わんばかりの攻撃力を発揮するところを何度か見ている。

「恐らく……」

 間違いないだろうと告げたところ、殿下はどこかほっと胸を撫で下ろした様子で呟く。
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