攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?

たとえ、愛を囁く資格がないとしても(ルドルフ)

「魔王討伐隊は、聖女エミリエを加えた4名編成とする」

 神殿で無能聖女として有名なエミリエがパーティに名を連ねると知った時、僕は絶望に苛まれた。

 父上が魔王討伐を望んでいれば、回復役には最上級の治癒魔法が使える少女を派遣するはずだ。
 それをしなかったのであれば、死んでも構わないと言うことだろう。

 彼女が旅の中で、不慮の事故に見舞われればいい。
 それが無理なら、自ら命を立つように仕向けよう。

 そうすれば、きっと父上は代わりの聖女を派遣してくれる。
 聖なる力を発揮できない無能ではなく、治癒魔法を使える素晴らしい聖女を――。

「協力、してくれるよね?」
「当たり前だろ? オレたち、親友じゃねぇか」

 死にたくない一身で、ガザンと協力して彼女にわざと心ない言葉をぶつけた。
 罪悪感など、欠片も持ち合わせていなかった。

「いつまで、同行するつもり?」
「さっさと、くたばっちまえ」

 だって、僕は第二王子だったから。
 文句を言える人間は、父上と兄上だけだと本気で信じていた。

「え……?」

 それが間違いだと気づいたのは、取り返しのつかない事件が起きてからだった。
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