攻略対象の想い人は、ナレ死予定の転生聖女 欠損を肩代わりしたら、なぜか曇った三英雄が執着してくるのですが?
「こうして過去の行いを反省できている時点で、殿下はとても素晴らしいお方です」
「エミリエ……」

 ルドルフは感動したようで、オッドアイの瞳を潤ませる。
 そんな第二王子の姿に「反吐が出る」とでも言いたげな幼馴染の表情を視界に捉えつつ、引き攣った笑みを浮かべるしかなかった。

「ガザンもいつか、わかってくれると思う。君の素晴らしさを。僕達のパーティに欠かせない存在だって。これからも、説得を続けるよ!」

 殿下は満面の笑みを浮かべて、これからどうやってガザンを納得させようかと策を練っている。

「これからはフェドクスと協力して、エミリエのいいところを耳元で囁くことから始めようと思うんだ!」
「馬鹿なのか……?」

 フェドクスが冷静なツッコミをしながら困惑しているのはかわいそうではあるが、ルドルフがまったくその苦言を気にした様子もなく楽しんでいるようで、何よりだ。

 本当はそんなことをしなくたって大丈夫だって、伝えたい。

 でも――。

 ガザンが左腕を失うなんて話をした結果、未来が変わってしまっては困るから。
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