図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜

第9話 ペア活動?





谷口くんと二人でゴミ袋とトングを受け取り、歩き出した。



「あの、谷口くん」


私は少し躊躇いがちに声をかけた。


「ん?どうしたの?」


「私……こういうのあまり得意じゃなくて、歩くの遅かったらごめんね」



私は最初から正直に、自分の不安を打ち明けることにした。


あとから迷惑かけるかもしれないし……。


けれど、谷口くんは



「あー、大丈夫大丈夫!こういうのは気楽に楽しむのが一番だよ」



と、あっけらかんと、今朝母に言われたのと同じようなことを言った。



「あ、ありがとう」


よかった‥‥‥。


そっと胸を撫で下ろす。



谷口くんは笑って言った。

「俺、ハイキング久しぶりなんだよね」



「谷口くん……ちゃんとハイキングだって思ってるんだね」



ほかのみんなは、ゴミ拾いって呼んでいるのに。



「うん。ゴミ拾いもハイキングのうちだよ。登山家だってゴミ拾いする人いるらしいし」



それから、ふと思い出したように私を見る。



「あっ西本さん、一位狙ってる?」



「えっ」



「それなら頑張るけど」




「う、ううん!そんなことないよ」



私は手を振った。
一位以前に、ちゃんとたどり着けるか不安だった。



「そう?」

と谷口くんが言った。



私は男子が苦手だけど、正直、谷口くんみたいな軽い感じの男子はもっと苦手だった。



私みたいな地味な子は、盛り上げたりもできないし、退屈にさせるんじゃないかと思ってしまう。



けれど、谷口くんはそんなこと気にする様子もなく、純粋にこの行事を楽しんでいるみたいだった。



その姿がなんとなく、佳奈に似ている。



「どのルートで行こうか」



谷口くんは、事前にもらった地図を広げ始めた。



思ったよりも頼もしいな……。




< 26 / 111 >

この作品をシェア

pagetop