君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
第四章 最悪の初対面……のはずだった
初めて小海と会う日。
澪は朝からずっと落ち着かなかった。
鏡の前で髪を整えて、服装を何度も確認し、家を出てからも「変じゃないかな」と何度もスマートフォンの黒い画面に映った自分を確認してしまう。
何しろ相手は、ずっと自分が聴いていた作曲家だ。
動画投稿を始める前から知っていた。
自分が歌っている曲の中にも、小海が作った楽曲がいくつかある。
そんな人と一緒に仕事をする。
考えれば考えるほど緊張した。
指定された部屋の前まで来ると、澪は一度深呼吸した。
「……大丈夫」
小さく呟いて、ノックする。