君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。
「はい」
「なんか、さっきから怖い顔してません?」
「してない」
「してますよ」
「気のせい」
その夜。
帰宅した小海は、一人で椅子に座りながらため息をついた。
「……嫉妬とか、面倒だな」
自分でも呆れる。
まだ恋人でもない。
澪が自分のものでもない。
そんな立場で、誰かに嫉妬する資格なんてない。
それでも。
好きになってしまった以上、簡単には割り切れなかった。