ゆびきり



「バッカじゃないの」

いきなり、あたしの隣から罵声が飛んできた。


「今も覚えてるってことは、期待してんでしょ?」

いつもの葵とは違う、冷たく重い声に、その場にいた全員が言葉を失った。


「しかも慶太がそんなこと言うわけないし!ちょっと夢見すぎだから」


葵はそう言うと、机をガタンッと鳴らし、走って教室を飛び出してしまった。


「葵!!」


あたしは急いで葵を追いかけた。





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