ゆびきり



あたしはトイレの個室に籠り、声を殺して泣いた。



独りって、こんなに辛いんだ。


いつも隣にいてくれた葵がいないだけで、こんなにも学校はつまらなくて、

こんなにも世界は灰色に見えるなんて、


あたし知らなかった。




ねぇ、葵。



あたし、葵が望むならこんな恋心捨てるから。


"慶太くん"って呼ぶのもやめるから。



だから、あたしの隣に戻ってきてよ。


あたし、葵がいなきゃダメなんだよ。










< 81 / 117 >

この作品をシェア

pagetop