ラブコメに異端児は似合わない!
普通の青春がしたい!
高校生になったら、普通に恋愛ができると思っていた。
好きな人ができて、少しずつ仲良くなって、告白して、付き合って。
一緒に帰ったり遊びに行ったり、愛を伝えあったり。
そういう、どこにでもある青春。俺が欲しかったのは、それだけだった。
そして四月。俺は晴れて高校生になった。
入学式が終わったあと、クラスに並ぶ知らない顔。俺は自分の席について、少し緊張しながらも、窓の外の散りかけの桜を眺めながら、これからの三年間に期待を寄せていた。
入学して少したったころ、委員会を決めることになった。仲良くなった友達に、
「委員会どこ入るの?」
と聞かれた。そういえば、あまり考えてなかったな。どこに入ろう。そう悩んでいた時、1人の生徒が教室に入ってきて、
「生徒会役員募集中です!」
と、大きな声を教室中に響かせた。そうだ、せっかくの高校生活だ。新しいことに挑戦してみようと思い、生徒会役員になることを決意した。
帰りのSHRが終わり、生徒会役員は生徒会室に集合がかかっていたため、俺は少し早歩きで生徒会室へ向かった。
生徒会室に着くと、何人かの上級生らしき生徒がいた。
「生徒会へいらっしゃい!」
教室で聞いた声と同じだ。元気で明るい声に出迎えられ、ますます心が躍る。
「名前を聞いてもいいかな?」
「一ノ瀬雅と言います。これからよろしくお願いします。」
「雅くんね!私の名前は木乃香。この学校の生徒会長をやらせてもらってます!どうぞよろしくね。」
そう言って柔らかく微笑んだ。明るくて優しい人だ。
「他にも生徒会に入った一年生はいるんですか?」
そう言った瞬間、生徒会室のドアが、ガラッと大きな音を立てて開いた。
「ごめーん、おくれたーっ!!!」
真っ先に目に入ったのは、大きくて綺麗な瞳だった。
首元から伸びた襟足が、肩にかかって軽やかに揺れていた。口元には人懐っこい笑みが浮かんでいる。
少し着崩した制服のせいか、真面目な生徒会役員、という感じには見えない。だが、不思議とだらしなくは見えなかった。
明るい雰囲気と、にこやかな表情。一言で言えば、やたらと目立つ女の子。
生徒会に入るようなタイプには、見えなかった。
明るすぎる女子とはそこまで関わってこなかったから、きっとあまり縁のないタイプだろう。と思っていたのも束の間、
「君も生徒会入るのーっ?あたし、宮世侑雨(ゆう)!君のなまえはっ?」
・・・すごい距離の詰め方だ。初対面って、こんなに距離が近いものだったっけ。急に話しかけられて少し驚いたが、この侑雨という人は、きっといい人なんだろう。生徒会で一緒に上手くやっていけたらいいな。
「俺は、一ノ瀬雅。こ、これからよろしく・・・。」
「へえ、雅くんっていうんだ!!いい名前だね。これから一緒に頑張ってこーねっ!」
そう言って、宮世さんはにぱっと笑った。大きな瞳がくしゃっと細まり、口角がキュッと上がる。その笑顔はまるで楽しいことを見つけた子供のように無邪気だった。
雅くん呼び・・・。やっぱり、距離の詰め方が尋常じゃない。なんにせよ、友好的な人でよかった。少し心配ではあるが、これからが楽しみだ。
ぱんっと手を叩く音が鳴った。みんなの視線が、音の鳴った方へ集まる。
「みんな、生徒会に入ってくれてありがとう。改めて、私は生徒会長の木乃香って言います。今日は顔合わせも兼ねて、簡単に生徒会について説明させてもらうね。」
そういいながら木乃香先輩は慣れた様子で説明を始めた。
「まず、生徒会っていうのは、学校生活をより良くするために活動するところ。文化祭や体育祭みたいな学校行事の準備をしたり、学校から頼まれた仕事をしたり、みんなから意見を聞いたりするのが主な仕事かな。もちろん大変なこともあるけど、そんなに堅苦しく考えなくても大丈夫!わからないことがあれば先輩に聞いてくれればいいからね。」
そう言って、またニコッと笑う。
「せっかく入ったんだから、楽しくやっていこうね!それじゃあ次は新しく入った子達に自己紹介でもしてもらおうか!」
宮世さんに気を取られていて気づかなかったけど、他にも生徒会に入る一年生がいるのか。
「はーーーーーいっ!!まずはあたしから!宮世侑雨って言います!木乃香先輩も言った通り、楽しくやってこーー!」
さすが宮世さんだ。
宮世さんに続いて、新しく生徒会に入った人たちの自己紹介が続く。
「じゃあ次は・・・、雅くん、お願い!」
と、木乃香先輩の声。とうとう、俺の番が来てしまったらしい。
「一ノ瀬雅です。よろしくお願いします。」
簡潔に自己紹介を終わらせ、席についた。
「雅くん、短っ!!!」
「自己紹介って、こういうもんだろ。」
「もっと自分をアピールしなきゃ!」
「生徒会の自己紹介で何をアピールするんだよ」
「せっかく一緒に活動するんだから、もっと雅くんのことを知りたいじゃん!」
「別に知っても面白くないと思うけど。」
「そんなのわかんないじゃん!」
「宮世は人のこと知るの好きなのか?」
「うん!だってその方が楽しいじゃん!」
大きな瞳が細くなって、口元には柔らかな笑みが浮かぶ。__よく笑う人なんだな。
「はいはい、2人ともそこまでね。じゃあ自己紹介も終わったし、今日は解散っ!」
生徒会室を出て、帰路につく。
今日は生徒会で色々あったな。
・・・宮世侑雨。
明るくて、よく笑って、少し距離感のおかしい女の子。
これから三年間、あいつと一緒に活動することになるらしい。
この時の俺は、まだ知らなかった。
俺の思い描いていた「普通」は、あの女の子によって少しずつ変えられてゆくことを。
好きな人ができて、少しずつ仲良くなって、告白して、付き合って。
一緒に帰ったり遊びに行ったり、愛を伝えあったり。
そういう、どこにでもある青春。俺が欲しかったのは、それだけだった。
そして四月。俺は晴れて高校生になった。
入学式が終わったあと、クラスに並ぶ知らない顔。俺は自分の席について、少し緊張しながらも、窓の外の散りかけの桜を眺めながら、これからの三年間に期待を寄せていた。
入学して少したったころ、委員会を決めることになった。仲良くなった友達に、
「委員会どこ入るの?」
と聞かれた。そういえば、あまり考えてなかったな。どこに入ろう。そう悩んでいた時、1人の生徒が教室に入ってきて、
「生徒会役員募集中です!」
と、大きな声を教室中に響かせた。そうだ、せっかくの高校生活だ。新しいことに挑戦してみようと思い、生徒会役員になることを決意した。
帰りのSHRが終わり、生徒会役員は生徒会室に集合がかかっていたため、俺は少し早歩きで生徒会室へ向かった。
生徒会室に着くと、何人かの上級生らしき生徒がいた。
「生徒会へいらっしゃい!」
教室で聞いた声と同じだ。元気で明るい声に出迎えられ、ますます心が躍る。
「名前を聞いてもいいかな?」
「一ノ瀬雅と言います。これからよろしくお願いします。」
「雅くんね!私の名前は木乃香。この学校の生徒会長をやらせてもらってます!どうぞよろしくね。」
そう言って柔らかく微笑んだ。明るくて優しい人だ。
「他にも生徒会に入った一年生はいるんですか?」
そう言った瞬間、生徒会室のドアが、ガラッと大きな音を立てて開いた。
「ごめーん、おくれたーっ!!!」
真っ先に目に入ったのは、大きくて綺麗な瞳だった。
首元から伸びた襟足が、肩にかかって軽やかに揺れていた。口元には人懐っこい笑みが浮かんでいる。
少し着崩した制服のせいか、真面目な生徒会役員、という感じには見えない。だが、不思議とだらしなくは見えなかった。
明るい雰囲気と、にこやかな表情。一言で言えば、やたらと目立つ女の子。
生徒会に入るようなタイプには、見えなかった。
明るすぎる女子とはそこまで関わってこなかったから、きっとあまり縁のないタイプだろう。と思っていたのも束の間、
「君も生徒会入るのーっ?あたし、宮世侑雨(ゆう)!君のなまえはっ?」
・・・すごい距離の詰め方だ。初対面って、こんなに距離が近いものだったっけ。急に話しかけられて少し驚いたが、この侑雨という人は、きっといい人なんだろう。生徒会で一緒に上手くやっていけたらいいな。
「俺は、一ノ瀬雅。こ、これからよろしく・・・。」
「へえ、雅くんっていうんだ!!いい名前だね。これから一緒に頑張ってこーねっ!」
そう言って、宮世さんはにぱっと笑った。大きな瞳がくしゃっと細まり、口角がキュッと上がる。その笑顔はまるで楽しいことを見つけた子供のように無邪気だった。
雅くん呼び・・・。やっぱり、距離の詰め方が尋常じゃない。なんにせよ、友好的な人でよかった。少し心配ではあるが、これからが楽しみだ。
ぱんっと手を叩く音が鳴った。みんなの視線が、音の鳴った方へ集まる。
「みんな、生徒会に入ってくれてありがとう。改めて、私は生徒会長の木乃香って言います。今日は顔合わせも兼ねて、簡単に生徒会について説明させてもらうね。」
そういいながら木乃香先輩は慣れた様子で説明を始めた。
「まず、生徒会っていうのは、学校生活をより良くするために活動するところ。文化祭や体育祭みたいな学校行事の準備をしたり、学校から頼まれた仕事をしたり、みんなから意見を聞いたりするのが主な仕事かな。もちろん大変なこともあるけど、そんなに堅苦しく考えなくても大丈夫!わからないことがあれば先輩に聞いてくれればいいからね。」
そう言って、またニコッと笑う。
「せっかく入ったんだから、楽しくやっていこうね!それじゃあ次は新しく入った子達に自己紹介でもしてもらおうか!」
宮世さんに気を取られていて気づかなかったけど、他にも生徒会に入る一年生がいるのか。
「はーーーーーいっ!!まずはあたしから!宮世侑雨って言います!木乃香先輩も言った通り、楽しくやってこーー!」
さすが宮世さんだ。
宮世さんに続いて、新しく生徒会に入った人たちの自己紹介が続く。
「じゃあ次は・・・、雅くん、お願い!」
と、木乃香先輩の声。とうとう、俺の番が来てしまったらしい。
「一ノ瀬雅です。よろしくお願いします。」
簡潔に自己紹介を終わらせ、席についた。
「雅くん、短っ!!!」
「自己紹介って、こういうもんだろ。」
「もっと自分をアピールしなきゃ!」
「生徒会の自己紹介で何をアピールするんだよ」
「せっかく一緒に活動するんだから、もっと雅くんのことを知りたいじゃん!」
「別に知っても面白くないと思うけど。」
「そんなのわかんないじゃん!」
「宮世は人のこと知るの好きなのか?」
「うん!だってその方が楽しいじゃん!」
大きな瞳が細くなって、口元には柔らかな笑みが浮かぶ。__よく笑う人なんだな。
「はいはい、2人ともそこまでね。じゃあ自己紹介も終わったし、今日は解散っ!」
生徒会室を出て、帰路につく。
今日は生徒会で色々あったな。
・・・宮世侑雨。
明るくて、よく笑って、少し距離感のおかしい女の子。
これから三年間、あいつと一緒に活動することになるらしい。
この時の俺は、まだ知らなかった。
俺の思い描いていた「普通」は、あの女の子によって少しずつ変えられてゆくことを。