71歳の恋愛小説家
そうして二人で、思い切っていったクルーズの旅は最高に楽しかった。

小説のネタにもなって、ネタ帳がいっぱいになってしまったほどだ。

ベニスではムラーノ島に行ってガラス細工の花瓶やワイングラスを買った。

ブラーノ島では繊細なレースのドイリーを何十枚も買った。

お土産に嵩張らず喜ばれそうだと友達と時間ですよと言われるまで選び倒していた。

裕子のお店にブラーノレースのコースターをどっさり買った。

帰って渡すと裕子も孫の綾もびっくりしていたが”おしゃれ!”と言って喜んでいた。

帰りも同じホテルに一泊するので買ったものはホテルに預けておいた。

そして、乗り込んだ豪華客船はキラキラしたシャンデリアがそこら中にぶら下がっていてめまいがしそうだった。

まるで中世のお城の雰囲気だ、いやもっとキラキラだ。

レストランや、プールは何カ所もあった。

さすがにプールでは泳がなかったが…

二人で話していて、こんな年寄りの水着姿を見せられた人がかわいそうだということになったのだが、案外外国の人はしわくちゃでも、お腹がだぶだぶでも気にすることなく水着を着て泳いでいた。

加奈子たちはプールサイドでカジュアルな服を着て海風に吹かれながら青い空と紺碧の海のコントラストを楽しみながら、昼からカクテルを飲んで贅沢を楽しんだ。

ショーも見放題でマジックやダンスやミュージカルもあった。

寄港地ではイタリアのアルベロベッロにツアーで行ったり、ギリシャのサントリーニ島にもよった。

ここは夕日が美しいそうだが残念ながらその時間まではいられなかったので、夕陽は船から見て楽しんだ。

サントリーニ島ではワイナリーに寄ったので、ワイン好きな友人に選んでもらった赤と白のワインを子供達三家族と孫の健司のお土産に、赤と白それぞれ半ダースを木箱に入れてもらった。

シャンパンを一ダースの木箱を二箱買って日本まで送ってもらった。

加奈子はワインよりその木箱が気に入ったのだ。

そのワイナリーの名前とワイングラスが焼き鏝で押してあり、反対側にはサントリーニ島の地図がこれも焼き鏝で押されていた。

きっと裕子のお店に置けばおしゃれだと思ったのだが、そのワインは会員制のバーのオーナーに気に入られて、彼はサントリーニ島のそのワイナリーから取り寄せる事にしたのはまた別のお話である。
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