タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。
第二章:言えないまま近づくふたり
第七話:おねだりを諦めない彼女
「ねえ、慎! お願いっ!」
「いや、それは、ちょっと……」
夏休みを目前に控えた、日曜の昼下がり。
俺の部屋で、二人きりで。
藤沢から、『あること』を前のめりに懇願されている。
「でもその日、誕生日だよっ!?」
「……ってか、まずちょっと離れろって!?」
もはや押し倒す勢いで、迫ってきている。
体重を支える腕が、震えてきた。
至近距離にあるのは、わざとらしく、うるうるとさせた瞳。
(うっ……)
思わず揺らぎそうになるのを、こらえながら。
「…………無理」
そう、絞り出した。