【偽】カップルですが、本当の恋を教えてください
「ありがとうリーダー。大好きだよ」
「こちらこそだよ本当に・・・桃祢、大好きだよ」
珀はいつも頼りになるリーダーだけど、こういうときは幼子みたいになってされるがまま抱きしめ返してくれる。
長い抱擁が終わると、
「リーダー、おいで」
「桃祢~・・・!」
次は緋雁と珀が抱きしめ合い、葛がこちらに飛びついてきた。
「本当にありがとなぁ。・・・桃祢も愛してるからな」
「私もだよ。本当にいつもありがとう、葛」
感極まったようにバシバシと背中を叩いてくる葛。
いつもは痛い!と抵抗するけど、今日は我慢することにした。
なんだか妹に構ってほしいお兄ちゃんみたいだしね。
「・・・っさて、珀亜~!」
しばらくして葛が私を離し、珀のところに行く。
私も最後に緋雁と、と珀の隣を見ると・・・。
「・・・あれ?ひか、・・・っ」
「桃祢・・・っ」
いつの間にか緋雁は珀の隣にはおらず、突然うしろから抱きしめられた。
びっ・・・くりした~・・・。
「緋雁、あの・・・」
「愛してる・・・」
喜びを分かち合うなら正面から、と言おうとすると、遮るように緋雁が呟く。
あ、愛してるって・・・。
「桃祢・・・ほんとに愛してる・・・」
え・・・こ、これって葛と同じ意味の『愛してる』だよね?そうだよね?
今、愛の告白なんてする必要ないよね・・・?
そもそもそんな素振り見せてないし、100%違うよね・・・!
「緋雁・・・あの、お顔が見えない」
「・・・え」
「緋雁の顔を見てハグしたい」
だってこんなに、奇跡みたいな出来事なのに。
どうせなら顔を見て、目を合わせて『ありがとう』って言いたい。
「やば・・・」
素直にそう言うと、私のおなかから手を離した緋雁が、手で口を覆って後ずさった。
首だけ後ろを向いていると、緋雁は私の肩に手を添える。
そして蕩けるような甘い笑顔で
「・・・可愛いね、桃祢ちゃん」
「っえ」
くるりと体を反転させられ、優しく、でも離れられない強さで、正面から抱きしめられた。
なんとか身じろぎをして腕を緋雁の背中にまわす。
しばらくすると、緋雁の腕の力がゆっくり抜け、今度は頬に手を添えられた。
愛でるように親指で頬を撫でられ、じわじをと顔に熱が集まる。
な、ななな、なにしてっ・・・さっき、『可愛い』って・・・っ!
「あーそこ!イチャイチャしない!」
「なにしてんの緋雁・・・桃祢、こっちおいで」
どうしたらいいのか分からずあたふたしていると、ハグを終えてこちらに気づいた珀と葛が助けてくれた。
た、助かった・・・あのままだったらユデダコになってたっ・・・。
「はぁ?・・・なんで珀亜のとこ行くの」
なぜか不機嫌になる緋雁を葛がなだめに行き、珀が顔を寄せてくる。
「あいつには気を付けな」
「え?なんで・・・」
「欲しいものは絶対手に入れるし、愛も重いから」
「あああ愛って・・・」
珀まで変なこと言いだしちゃった・・・!
メジャーデビューでテンションが上がっているのか、緋雁も珀もおかしいよっ・・・。
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