よそ見なんてしてません!…たぶん。
「本気の相手なら、もっと慎重にならない?って思うんだけどさ」
「遊び慣れてる男って、余裕あるもんね」
箸を持つ手は止まったまま、ゴクっと唾を飲み込んだ。
再び脳内に召喚される須波先生。
先生の告白を信じきれていない私に、『確かめてみる?』と車内で壁ドンからの、流れるようなキス。
『まだ足りない?』と余裕たっぷりの顔。
あ……あれは……
慣れてる?
いや、でも、あの須波先生だし。
モテるし、医者だし、そりゃ遊んでたっておかしくないですよ。
私だって、そのくらいはわかってる。
わかってはいるけど……ツキンと胸が痛んだ。
もしかしての、もしかして、
私……遊ばれてる……?
いやいやいや。
ちゃんと「好きだ」って言ってくれたじゃん。
『俺と付き合って、白石』
って。
あんな真っ直ぐな顔で。
………でも。
遊び慣れてる人なら、それくらい普通に言える……とか?