極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛デート編

同級生カレシ




暑いよぉ。
暑すぎる。
セミの声がめちゃくちゃうるさいこんな日は冷房の効いた部屋でアイスを食べながらアニメを観るに限るのに、花壇に水を撒くためだけに学校にいかなきゃいけないなんてつらすぎる。



そう、無理やり押し付けられた園芸委員のお仕事。それは夏休みの水やり。



ほんとは二人一組なんだけど、相方の男子、田淵君が体調不良で行けないから一人でやらなきゃなんだ。



正門脇、裏庭、来賓用出入口となかなかの範囲だけど仕方ない。
夏休みに入ってから毎日が猛暑だし、何日も雨が降ってないからたっぷりお水をあげないとお花もかわいそう。



時刻は10時前。
よし、じゃあ行きますか。
気合いを入れて玄関を出たら後ろからおはようって声をかけられた。



振り返るとそこには同じ制服を着た男の子がいた。前髪が厚ぼったいふわふわ茶色のマッシュヘア、眼鏡をかけてる。
ずっとこっちを見てニコニコしてるけど、誰だっけ。



「えっと……あっ、もしかして田淵君の代理の方ですか?」



あり得ると思ったんだけど違ったっぽい。彼はむすっとした顔になって私の目の前まで来た。



「あのっ、ちょっと近っ……」



焦って逃げようとしたら、腕を引き寄せられてしまった。
ひぇぇ、なんなのー!



「まだ気づかないわけ?」



「えっ……その声って」



眼鏡を外して厚ぼったい前髪をかきあげてみせたのは……。



「彼氏の顔を忘れるなんてあり得ない」



「なんで……」



それは不貞腐れた表情のナツ君だった。
お仕事だって言ってたのに。
それにその制服どうしたの? 
いつものごとく、軽くパニック。


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