高嶺の花も恋をしたい!
「花緒ちゃん楽しそうだな」 
「楽しいです! 引率の田村先生に連れてきてもらった生徒みたいで、お仕事なのに申し訳ないですけど」
「ハハ、田村先生! 違いない。俺も田村先生に教わることがいっぱいあったよ」
「おいおい……勝手に先生にするなって。まあ年齢的にこの中じゃそうなるか」
「やっぱり田村部長の知識、半端ないっすね!」

 CADオペレーターで、男性の中では一番若い20代の島本さんが、田村部長に尊敬の目を向ける。私も島本さんの気持ちがよくわかった。

「よし、今日は直帰だし、この後みんなで食べて帰るか?」
「お、いいっすね! 決起会ですか。行きます!」

 田村部長の提案に島本さんが真っ先に手を挙げた。

「あ、すみません……私は子供たちが待っているので……」

 同じくCADオペレーターで、30代前半の佐藤さんが、申し訳なさそうに手を挙げる。

「無理することはないですから。佐藤さん、今日はお疲れさまでした。貸会議室もセッティングできたことだし、次は弁当を取ってランチ会でもしましょう」
「副社長……ありがとうございます!」

 なんと卒のない対応だ。上司の神対応にひたすら感心する。

 直帰する予定だったのだが、副社長と部長の車を置くため一度社まで戻り、会社近くの居酒屋へ行くことになった。

 そこは田村部長の行きつけのお店らしく、豪快な大将がお酒も料理もたくさんふるまってくれて、私たちはいい具合に酔っぱらいに。

 でも、今日一日で皆さんとかなりお近づきになれた気がした。

 その後、田村部長はもう一軒行きつけのお店に寄っていくと言って、夜の街へ消えていった。
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