この放課後はきっと、一生忘れない 【短編】
 夕焼けで赤く染まる教室の中。

 誰もいない放課後に、その言葉だけがやけにはっきり響いた。

 ずっと透明人間みたいだと思っていた。
 でも違った。

 ちゃんと見つけてくれる人が、ここにいた。

 「私も、朝倉くんが好き」

 そう言うと、彼は照れくさそうに笑った。

 その笑顔を見た瞬間、私は思った。

 朝倉くんが、わたしの顎をぐいっとやった。いわゆる顎クイというやつだろう。

 「お前さ、意外とモテるよな」

 「え?わたし、が?」

 「ちょっと、嫉妬する。」

 「ふふっ、かわいいね」

 「はぁ?笑うなよ」

 「ふふふっ、んっー」

 わたしはキスをされてしまった。

 とろけるぐらい、甘いキスを。
 
 今日の放課後は、きっと一生忘れない。




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