怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡
さらっと返されて、もう何も言えなくなる。

ほんとうに、この人はずるい。 声だけでもこんなに甘いなんて、反則だと思う。

『眠れそうか』 少しやわらいだ声で神崎くんが聞く。

「さっきまでは無理だと思ってたけど」 『今は』 「神崎くんの声聞けたから、たぶん大丈夫」 『……それも反則』 「お互い様だよ」 『そうかもな』

電話の向こうで、少しだけ笑う声。

そのあと、神崎くんがいつもよりずっとやさしい声で言った。
< 96 / 100 >

この作品をシェア

pagetop