キミがいたから。
小さな芽
───翌朝。
私はいつもより少しだけ早く学校へ向かった。
昨日の夜、何度も決めた。
――今度こそ、ちゃんと伝える。
爽のことが好き、その気持ちを、もう隠さない。
校門をくぐり、教室へ向かう。
すると、
「燈」
「……爽?」
廊下の窓際に、爽が立っていた。
「おはよう」
「お、おはよう……」
爽は少しだけ照れたように笑った。
「昨日さ」
「うん?」
「燈が言おうとしてたこと、ずっと考えてた」
ドクン、ドクン…私の心臓が跳ねる
「……え」
「何だったの?」
───顔が熱くなる。
「それは……」
…昨日と違って、今日は逃げたくなかった。
でも、
「……放課後、話したい」
燈がそう言うと、爽太郎は少し驚いたあと、笑った。
「分かった」
その笑顔を見て、胸が高鳴る。
───そして昼休み。
燈と美桜が話していると、爽太郎が教室へ入ってきた。
「燈、これ」
「……?」
爽が小さな袋を差し出した。
「昨日、燈が好きって言ってたお菓子」
「覚えてたの?」
「もちろん」
燈は袋を受け取る。
「ありがとう……」
美桜が二人を見ながら、にやっと笑った。
「ねえ、爽」
「ん?」
「燈のこと、特別扱いしてない?」
「……え?」
爽が固まる、私も固まった
「だって、燈が好きって言ったもの覚えてたり、毎朝声かけたり、一緒に帰ったり」
「……それは」
「何?」
爽は少しだけ視線を逸らした。
「……燈だから」
その一言に私の胸が、大きく鳴った。
「……燈だから?」
「うん」
爽はそれ以上何も言わなかった。
でもその言葉だけで十分だった。
もしかして……もしかしたら。
爽も、自分と同じように――。
そんな期待が、燈の中で小さく芽を出した