キミがいたから。
第6章
温かさと切なさ
「……燈」
「……うん」
「俺、たぶん……燈のことが好きなんだと思う」
その言葉を聞いた瞬間、私の涙が止まらなくなって。
「……ほんと?」
「うん」
「……私も」
───夢みたいで、声が震える。
「私も、爽が好き」
やっと言えた、ずっと言えなかった言葉。
何度も喉まで出かかって、それでも怖くて飲み込んできた言葉。
今、ちゃんと伝えられた。
「……そっか」
爽が笑う、その笑顔を見て私も泣きながら笑った。
「なんで笑ってるの……」
「だって、嬉しいから」
「……私も」
しばらく2人は、何も言わなかった。
夕焼けの光が、二人を優しく照らしている。
私は思う…
高校に入学したあの日、自分は1人だった。
道に迷って…どうしたらいいのか分からなくて。
また誰かに傷つけられるんじゃないかと怖がっていた。
そんな自分に、爽太郎は笑って声をかけてくれた。
そこから全部が始まったように思う。
友達ができた、笑えるようになった、自分を少しずつ好きになれた。
そして……恋を知った。
「爽」
「ん?」
「私ね」
「うん」
「最初は、爽のことを白い人だと思ってた」
「白い人?」
「うん。明るくて、優しくて……私とは正反対」
私は照れ隠しの意味を込めて少し笑う。
「だから、私なんかが隣にいていいのかなって思ってた」
「……燈」
「でも、今は違う」
私は爽を見る。
「白とか黒とかじゃなくて」
「……」
「一緒にいられたら、それでいい」
爽は少し照れながら笑った。
「俺も」
「……うん」
「燈の隣にいたい」
その言葉に、胸が温かくなる…
ねぇ爽……大好きだよ。出会ってもう少しで1年が経つけど、まだ1年も経ってない。それでもこんなにも君が好きで…
恋はこんなにも暖かくて、切ないんだね…