夫婦喧嘩する二人
葵くんは嫌な気持ちになったと、思う。
家庭に入って欲しいと、言われて受け入れたのは私……。
その責任は取らなければ。
今更、ぐちぐち言うのは違った。
行きたいところがあるなら、葵くんと行く。
大学の卒業旅行と新婚旅行を兼ねて行った、旅行が花の都、パリに行き先が決まったのは、私が行きたいと言ったから。
葵くんは全額出して、連れてってくれた。
行き帰りの飛行機は、ファーストクラスだった。
宿泊したのは五つ星ホテル。
財力を遺憾なく発揮された。
私が好きな映画の聖地巡礼に付き合ってくれて、美術館にもオペラにも、付き合ってくれた。
素敵なレストランを予約してくれて、どのお店も美味しくてハズレがなかった。
葵くんは立ち振る舞いがスマートで、仕事が出来る人であった。
流石は泉宮家が経営するホテルの、代表取締役社長の肩書を背負う人物だ。
……惚れ直した。