君の才能ごと、独り占め
「……うん」
すると恒一くんの目がゆっくりやわらぐ。
「よかった」
本気で安心したみたいな声だった。
私はその表情を見て、胸がじんとあたたかくなる。
「恒一くん」
「なに」
「私、ちゃんと大丈夫だよ」
「うん」
「怖かったけど、今は大丈夫」
そう言うと、彼は何も言わずに私を抱きしめた。
さっきまでの熱を押しつけるような抱きしめ方じゃない。
包みこむみたいな、やさしい腕だった。