君の才能ごと、独り占め
25☆帰り道の静かな甘さ
音楽室を出たときには、廊下に差し込む夕方の光が少しだけ薄くなっていた。
さっき泣いたせいで、目元はまだ少し熱い。
でも不思議と、胸の奥は前より静かだった。
話してしまった。
ずっと隠してきたこと。
ピアノが好きだったことも、苦しくなって逃げたことも。
恥ずかしい。
でも、後悔はしていなかった。
隣を歩く恒一くんは、何も急かさない。
何か言わせようともしない。
ただ、私の歩幅に合わせて静かに歩いてくれる。
そのやさしさが、今はひどくありがたかった。
階段を下りて、昇降口の前まで来たところで、恒一くんが足を止める。
「星音」
「うん」
「少し、目赤い」
小さな声だった。
からかうでもなく、心配しすぎるでもなく、ただ事実をそっと伝えるみたいな言い方。
さっき泣いたせいで、目元はまだ少し熱い。
でも不思議と、胸の奥は前より静かだった。
話してしまった。
ずっと隠してきたこと。
ピアノが好きだったことも、苦しくなって逃げたことも。
恥ずかしい。
でも、後悔はしていなかった。
隣を歩く恒一くんは、何も急かさない。
何か言わせようともしない。
ただ、私の歩幅に合わせて静かに歩いてくれる。
そのやさしさが、今はひどくありがたかった。
階段を下りて、昇降口の前まで来たところで、恒一くんが足を止める。
「星音」
「うん」
「少し、目赤い」
小さな声だった。
からかうでもなく、心配しすぎるでもなく、ただ事実をそっと伝えるみたいな言い方。