過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

一通り状況の説明を終えると、俺は課長の目を真っ直ぐに見据え、一切の迷いなく言葉を続けた。


​「・・・それから、個人的なご報告になります。」​


息を呑む課長の前で、俺は胸を張って言い放った。


​「僕は、藤崎結衣さんと結婚を前提にお付き合いをしています。近いうちに正式にプロポーズし、結婚するつもりです。もし社内規定や配置転換が必要であれば、俺を他部署へ異動させてください。」​


課長は一瞬言葉を失ったように目を見開いたが、俺の目にある本気度を読み取ったのだろう。

やがて深く息を吐き、静かに頷いてくれた。​


「・・・分かった。瀬戸くんの覚悟は伝わったよ。人事や上の人間には、私からうまく話を通しておく。藤崎さんにも変な火の粉が飛ばないよう配慮するから。」

「ありがとうございます。」


​会議室を出て、夜の冷たい空気を吸い込んだ。

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