過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

「藤崎先輩、本日の進捗報告です。こちら、ご確認をお願いします。」​

廉が配属されてから1ヶ月ほどが過ぎた、ある木曜日の夕方。

周囲の心配をよそに、廉は教えた仕事を驚異的なスピードで吸収し、既にチームに欠かせない存在になりつつあった。

​オフィスではどこまでも''優秀で爽やかな後輩''として振る舞いながらも、二人きりになると低く甘い声で「結衣先輩」と距離を詰めてくる。

そのギャップに翻弄され、結衣の心臓は連日保ちそうになかった。​

そんな時、部署全体を揺るがす大トラブルが発生する。​


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