先生はキケンな許嫁。
「外あっつー…」
曇り空のじめっとした蒸し暑さの中、駅まで向かう。
「白石!」
「先輩すいません、いきなり誘っちゃって」
「白石から誘ってくれるなんてめっちゃ嬉しいわ!」
「い、いえいえ」
これから別れ話をする手前、当然上手く笑うことはできなかった。
そんなことも知らない先輩は嬉しそうに横を歩いている。
私たちは駅近のファミレスに入った。
「なんか食う?」
「私は大丈夫です、飲み物だけで」
「そっかぁ」
今のこの状況で食べ物が喉を通る気がしない……
先輩はお腹が空いたと言いパスタを注文した。
「あ、あの先輩」
「ん?」
「あの……わ、別れ……」
私が別れ話をしようとした瞬間、先輩は窓際を不思議そうに見つめていた。
「あそこにいるのって、白石の担任だよな?
新しく来た黒木先生!」
「え?」
先輩の言葉と同時にゆっくりと窓際に目線を動かす。
私は言葉を失った。
だって、そこにいるのは……
「あの女の人、彼女かな?」