先生はキケンな許嫁。
「白石、いる?」
奈々に話そうと口を開こうとした瞬間、廊下から教室を除く先輩が現れた。
「奈々……ちょっと待っててほしい」
「もちろん!いってらっしゃい♪」
何の事情も知らない奈々は私を廊下に送り出した。
「あの、私も先輩の所に行こうと思ってて」
「そうだったんだ」
「「…………」」
改めて話すってなると緊張して言葉が詰まった。
「俺たち別れよっか」
私は先輩の顔をじっと見つめた。
そりゃあそうだよね。
あんな時に、いきなり泣き出したりしたら。
「私もその…言おうと思ってて」
「なんかごめん。白石さ、俺に興味ない気がして」
「あ……いや……」
「俺は、本当に好きだったけど」
「………」
こんなに思いを伝えてくれているのに、先生がチャラいからって理由だけで付き合った私は、後悔と罪悪感でいっぱいだった。
「私、最低ですよね……」
「白石はなんも悪くないよ!じゃあ俺部活あるから……戻るね!」
「……はい」
白い歯を見せながらニカッと笑った先輩は、エナメルバックを肩にかけ、廊下を歩いて行った。