イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。
第十章
やがて彼は、諦めたみたいに小さく息を吐いた。
「この前、母さん倒れた」
紬は目を見開く。
「え」
「仕事先で。大きい病気じゃなかったけど、過労だって」
夕方の光が、急に冷たくなった気がした。
「それで、しばらく無理できないって言われて」
湊は淡々と話している。
でもその声の奥に、張りつめた疲れがあった。
「家のこと、前より増える。澪のこともある。夏休みも、多分ほとんど空かない」
紬は何も言えなかった。
「そんな状態で、白石にちゃんと向き合える自信ない」
その言葉は、拒絶ではなかった。
むしろ逆だった。
向き合いたいからこそ、向き合えない今が苦しい。
それがわかってしまうから、余計に泣きたくなる。
「会いたくないわけじゃない」
湊が続ける。
「むしろ、会いたい」
胸が痛い。
「この前、母さん倒れた」
紬は目を見開く。
「え」
「仕事先で。大きい病気じゃなかったけど、過労だって」
夕方の光が、急に冷たくなった気がした。
「それで、しばらく無理できないって言われて」
湊は淡々と話している。
でもその声の奥に、張りつめた疲れがあった。
「家のこと、前より増える。澪のこともある。夏休みも、多分ほとんど空かない」
紬は何も言えなかった。
「そんな状態で、白石にちゃんと向き合える自信ない」
その言葉は、拒絶ではなかった。
むしろ逆だった。
向き合いたいからこそ、向き合えない今が苦しい。
それがわかってしまうから、余計に泣きたくなる。
「会いたくないわけじゃない」
湊が続ける。
「むしろ、会いたい」
胸が痛い。