京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 男友達に可愛いと言われるのは素直に嬉しいが、言っている本人がこれまた美男子だから信じられない気持ちもある。自分のことを名前しか教えてくれない人だから、気構えてしまうのかもしれない。

「ねえ、清水さんはどうして自分のことを話さないの?」
「知らない方がミステリアスでかっこええと思わん?」
「時と場合によると思う」
「ということは、寧々ちゃんは俺のこと知りたいって思ってくれはるの?」
「そうだけど」

 せっかく知り合ったのだから、相手のことを知りたいと思うのは普通ではないだろうか。

「嬉しいわあ。じゃあ、俺とデートしてくれたら俺のこと一つ教えたる。これでええ?」
「デート? なんで?」
「なんでもなにも、寧々ちゃんのことが気になるからや。寧々ちゃんも俺のこと気になるんやろ? それやったら、デートした方が楽しいやん」
「……清水さんって、遊び人?」
「なんでそうなるねん。寧々ちゃんだけやで」

 こんなにかっこいい人から自分だけなんて言われたら、女の子は誰だってくらくらするに違いない。誠実だけど、そうじゃなさそうな伊織の言葉をどこまで信じていいのだろう。
 寧々は振られたばかりで男の言葉を信用できなくなっていた。
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