総長の愛が、重すぎる
ようやく空気がやわらいだ、そのときだった。

準備室の扉がこんこんと鳴る。

「総長、そろそろ戻らないと本気で騒ぎになるよ」

湊の落ち着いた声だ。

続いて、悠真の明るい声も聞こえる。

「ひまりちゃん生きてる?」

「おまえ言い方」

臣の声にまじって、律の小さなため息も聞こえた。

蓮は名残惜しそうにひまりの頬をなでる。

「戻るか」

「うん」

「でももう接客してるとこ見たくない」

「それは無理」

「じゃあ俺がずっと見張る」

「もっとだめだよ」

くすっと笑うと、蓮は少しだけ不満そうにしながらも、ひまりの手を取った。

指を絡めて、しっかりつなぐ。

「せめて終わるまで離さない」

「仕事できないよ」

「片手でやれ」

「無茶言わないで」

そんなやり取りをしながら準備室を出ると、待っていた悠真たちが一斉にこちらを見た。
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