15歳、恋と友情の境界線
3 気づけば、考えてる

次の日の朝。

目が覚めて、スマホを手に取った。

通知を確認して、画面を閉じる。

それだけの、いつもの朝。

なのに。

昨日のことが頭に浮かんだ。

――みなとと、一緒に帰った。

Instagramの動画を見て、一緒に笑った。

「……なんで思い出してるんだろ」

自分でもよく分からなかった。

別に、何か特別なことをしたわけじゃない。

ただ話して、ただ帰っただけ。

それなのに、学校に着いてからも何度か思い出した。

授業中。

休み時間。

ふとした瞬間に。

昨日のみなとの笑った顔が浮かんでくる。

そのたびに、

「まだ好きなのかな」

って考える。

でも、考えれば考えるほど分からなくなった。

そんな私の隣で、友達が言った。

「今日、一緒に帰ろ」

「うん」

いつものように答える。

放課後。

私はまた友達のクラスへ向かった。

私のクラスは先に終わっていたけれど、友達のクラスはまだ終礼中だった。

私は教室の近くで待つ。

昨日と同じ。

その間、別の友達と話をしていた。

くだらない話をして、笑った。

しばらくして、終礼が終わる。

私は話していた子に、

「じゃあね」

と言って、友達のところへ向かった。

すると、

「早くして! 行くよ!」

また言われた。

「うん、今行く」

私は急いだ。

その瞬間。

昨日までなら、たぶん何も思わなかった。

でも今日は、少しだけ違った。

――私、また待ってたんだけどな。

そう思った。

そして、なぜか昨日のみなとのことまで思い出した。

みなとは、私と話しているとき。

私が笑えば、一緒に笑ってくれた。

急かされることもなかった。

もちろん、たったそれだけ。

それだけなのに。

比べるつもりなんてなかったのに、勝手に比べてしまう。

友達といる時間と。

みなとといる時間。

どっちも大切なのに。

どうして私は、こんなことを考えてしまうんだろう。

帰り道。

友達はいつも通り話している。

私も笑っている。

ちゃんと楽しい。

だからこそ、余計に分からなくなった。

友達が悪いわけじゃない。

みなとが特別なことをしてくれたわけでもない。

なのに。

私は少しずつ、気づき始めていた。

人との距離って、

「好きか嫌いか」

だけじゃ決まらないんだ。

大切にされているって感じるか。

自分も大切にしたいと思えるか。

そんな小さなことで、少しずつ変わっていく。

そして私はまだ知らなかった。

この先、恋と友情。

どちらかを選ばなきゃいけないような瞬間が、本当に来るなんて。
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