孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
こんなのを見て居たら目が回りそうだとシアは事務所内に目を向けた。

「やあ、ダル、今日はお客様なんだな。ダルが女性を家に招待するなんて初めてだからびっくりするけど、きっと君はシアだね」

「はいシア・ウイルソンです。初めまして、あなたがロナウドさん?」

「うん、ロナウドでいいよ。もう終わったから帰る所なんだ。今日は初めてキッチンで鉄板を使って料理ができるとシェフが張り切っていたよ。食事を楽しんで」

「ありがとうございます。楽しみです」

「その前に家を案内してもらうといいよ。デッキから湖に沈む夕日が絶景なんだ。今日は天気がいいから素敵な日没が見られるよ。なっ、ダル」

「そうだな。じゃあシアいこうか」

「はい、ではロナウド失礼します」

玄関ホールから二階に上がるスリット階段があるのだが、その奥の壁はガラス張りになっていてその向こうにプールが見える。

家の中にプールがあるなんて初めて見た。

スコットランドでは海や屋外プールで泳ぐとしても夏のほんの一カ月くらいだ。

温水プールなら一年中泳げる。

ダルの均整の取れたモデルのようなスタイルはプールで泳いだり、ジムで鍛えたりしているからだろう。

ジムも家の中にあるに違いない。

「プールもあるんですね。すごいお家ですね」

「十五メートルのプールだからそんなに大きくはないんだけど一人で寝る前に泳ぐのは気持ちがいいよ」

「でしょうね。きっといつもぐっすり眠れるでしょうね。ジムもどこかにあるんでしょう?」

「うんプールの奥にジムとシャワースペースにジャグジーもあるよ。

「だと思いました」

そう言ってシアはコロコロと笑った。ダルの大好きな明るい笑顔で…

「二階は僕の部屋と書斎にゲストルームが二つあるよ。ロナウドは時々ゲストルームに泊まってるよ。オンライン会議で遅くなったりした時家に帰るのが面倒だと言って、プールで泳いでジャグジーで温まってストレス発散ができるらしい」

「そうでしょうね。ロナウドはキャッスルホテルの総支配人でもあるんですよね。お二人とも忙しいですね」

「でも彼も信頼出来て仕事ができる支配人を見つけて来てホテルは彼が取り仕切ってくれているから、時々目を光らせていればいいから大丈夫さ。だから君の妹さんもロナウドに任せて案内させるよ。ホテルで働いてくれるといいなあって言ってたよ」

「まあ、きっと喜びます。リリーがホテルで働けるならまた一緒に暮らせますから私も嬉しいです。でもまずはリリーと会ってもらわないとですけれどね」

「そうだね。クリスマス休暇が楽しみだ」

二人はそんな話をしながら事務所スペースとは反対のドアを開けて中に入った。
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