孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
一時間ほどして競馬場につくとダルはすぐにシアを厩舎に連れて行った。

今日はメダルロイヤルがレースに出るが出走にはまだ間があるので厩舎にいた。

隣の馬房にはゴールドバラスがいる。

ゴールドバラスは二週間後のG1レースに出場予定だ。

シアは二頭に挨拶するように接している。

メダルロイヤルには“今日は頑張ってね。一番で帰ってくるのを待ってるわ。応援してるからね”そう言って鼻先にキスをした。

メダルロイヤルは嬉しそうに頭を縦に振っている。

隣の馬房からはゴールバラスがこっちに来いと言うようにシアを見つめてそわそわしている。

ゴールドバラスもシアに鼻や耳の後ろをなでられてうっとりとしている。

本当にシアは馬に好かれるのだと新めて感じたダルだった。

二頭と一緒に来ている調教師と厩務員に二頭の様子を聞いて、騎手にも挨拶をしてダルはシアを連れて馬主席に向かった。

シアはどのレースも楽しんだ。

走る馬ほど美しいものはないとシアは言った。ダルも同感だ。

レースでいい成績を出してくれるのはもちろんうれしいが、ダルは怪我が無いように楽しんで走ってくれるのが一番だと思っている。

その日メダルロイヤルは一番にゴールを切った。

ダルはちょっとびっくりして、シアのお陰かもしれないと思っていた。

メダルロイヤルはこのレースは足慣らしのつもりで出走させると調教師がいっていたのだ。

まさか一番でゴールを切るとは思っていなかった。

それも一馬身以上も差をつけていた。

騎手によると最後行きたがったので馬に任せたと言っていた。

このレースはG1ではないものの賞金もいいし、メジャーになりつつあるレースなのだ。

メダルロイヤルはこの後G1にも出す予定で、最高の幕開けになったと調教師も大喜びだった。

二人はメダルロイヤルをねぎらってから競馬場を後にした。
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