孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

シャドーとの闘い

ダルはシアと別れて家に帰ると、ダイニングテーブルに座っている彼に飲み物を出した。

少し二階にいると言って自室に行き、今日は作動させておいた室内の監視モニターを見てみた。

ダルとシアが出て行った後しばらくして彼はどこかに電話をかけている。

音声モニターを聞くと“R三十五です。見つけましたよ。アリシア・ジュノウ・ホーク。後は帰ってからという事で”という音声を再生した。

ダルはこのくそったれがと思ったが、彼一人を捕まえても仕方がない。これは泳がさなければ…

ダルはそれから電話を四件かけて、モニターをコピーして三件に送ってから下に降りて行った。

作戦はあいつが帰ってからだ、ロンドンに着いたら正体をつかんでもらわなければならない。

ダルはちょうどロンドンまで至急の届け物がありプライベートジェットを飛ばすのでついでに乗って行ったらどうですかと愛想よく進めた。

当然大喜びで乗って帰った。

ロンドンについて自分の部屋が盗みに入られていると知ったらショックを受けるだろうが、ダルは何でも任せている男に連絡をして、彼の携帯電話の盗聴、部屋を調べて何かつかめないか探らせたのだ。

住所は設計事務所を調べればすぐにわかる。

盗みに入られたように装って部屋の中を調べたようだ。

家族がいればそう言う訳にはいかなかったが、独身だったので大胆な手を使ったようだ。

スコットランドヤードからもロンドンのNCAに連絡が言っているので今回は願ってもないきっかけで下っ端だとしてもシャドーの端っこをつかめるかもしれないのだ。

まだ動きがどうなるかはっきりしないがシアたちには伝えておかなければならない。

ダルの家に避難させる必要があるかもしれない。

でも相手がシアの顔を知っていたという事に恐怖と怒りを覚える。

明日ロナウドが朝からリリーをキャッスルホテルに案内することになっている。

その後雇用契約についても話し合うらしい。

夜は六時からレストランでダルとシアも合流してデイナーの予定なのだ。

それが終わってからシアの家でマギーも含めて話をしようと思う。

明日中には方針を決めると警察の方も言っていたから、きちんとした話ができるだろう。

それまでは嫌な思いも怖い思いもさせたくはなかった。

しかしそれが裏目に出てしまうなんて誰が予想できただろう。
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