夫が出戻りの幼馴染と「焼け木杭に火がついた」と浮気していたので、そのまま燃やしてしまってもいいですよね?
「おい。それ大丈夫なのか?」
「え。なんで?」
「なんでって、どこにどんな感情があるか分からないだろ」

 いつになく真剣なノアの表情に、あり得ないとは思いながらも急に不安になってくる。

 まさかあの夫が? というよりも、あの人が浮気とかする姿が想像できないのよね。

「ないない。あり得なさすぎるわ」

 私はそう言いながら、パタパタと手を横に振って見せた。

「まったくおまえは……」
「何よぅ。それよりノアは飲まないの?」
「俺はこれからまた仕事があるんだよ。街中にモンスターが入って来るなんて異例(いれい)だからな」

「あー。それは大変だ。お疲れ様です」
「……もう酔ったのか?」
「酔ってましぇん」

「……送ってくわ」
「えー、もう? まだ飲み足りないよう」

 そんな私の抵抗など空しく、呆れ果てたノアに首根っこを掴まれるように酒場を後にした。
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